1.集団投資スキームとは

集団投資スキームとは、

① 他社から金銭などの出資・拠出を受け、
② その財産を用いて事業・投資を行い、
③ 当該事業・投資から生じる収益などを出資者に分配する仕組み

を全て含みます。要は、事業自体には関与せず、その事業から生まれる金銭的なリターンを求めて投資する場合のことをいいます。

そして、この集団的投資スキームに該当するような形で事業を行う場合、第二種金融商品取引業の登録が必要になる等、金融商品取引法上の規制を受けます。

株式や為替等を扱う場合と異なり、事業への投資を募る場合は何の規制もないと思っておられる方が多いですが、実は多くのケースで金融商品取引法の規制を受けるのです。

ただし、例外があり、出資者全員が出資対象事業に関与する場合等は除かれます。

 

2.集団投資スキームの形式

集団投資スキームは、民法上の任意組合形式、匿名組合形式、投資事業有限責任組合契約、有限責任事業組合契約その他いかなる形式によるかを問いません。

この点、任意組合で行えば金融商品取引業の規制を受けないと思い込んでいるケースも多いですが、事業スキームが重要なのであって、形式は問いませんのでご注意ください。

 

3、集団投資スキームの対象となる権利

金融商品取引法では株式や債券といった有価証券は当然のこと、信託受益権全般や集団投資スキームに関する権利は、包括的に有価証券と位置づけられています。

特に重要なのは、「事業への投資」も集団的スキームの対象となる、ということです。

この点十分にご注意ください。

4、集団投資スキーム利用の際の注意点

前述のように、集団投資スキームは株式等の流動性の高い有価証券に投資する場合だけではなく、事業に投資する場合も含まれます。

いわゆる「有望な事業に投資するからお金を出資してもらい、利益がでたらその利益の一部を出資者に還元する」ようなシステムの場合、かなり多くのケースで集団投資スキームに該当すると思います。

例えば、「1口十万円で事業用の機械を購入してもらい、それを別の事業者さんにリースして、利益の20%をその機械の購入者に還元する」ようなケースについては、集団投資スキームに該当し、原則として第二種金融商品取引業の登録が必要になる等、金融商品取引法上の規制の対象になります。

事業に出資してもらう場合、後々金融庁から処分を受けたりしないよう、ご自身のスキームに違法性がないか、十分に注意の上、すすめるようにしてください。

なお、自分のスキームが集団投資スキームに該当するかわからない方はお気軽にご相談ください。金融商品取引法に強い専門家が、コンプライアンス上問題のないスキームの策定、書類作成につき、アドバイスいたします。

 

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